英文スタイルガイド解説(20):使わない英語【A〜D】

Googleが公開している開発者向け英文スタイルガイドから項目を1つ取り上げて紹介します。スタイルガイドは基本的には書く際に利用されますが、読む際にも参考になります。

記事の英語難易度は「中〜上級」です。


Googleスタイルガイドでは、使わない(禁止や非推奨)としている英語表現を掲載しています。そのうち日本語母語話者も用いそうな基本的な表現を選んで解説します。ただし、あくまでGoogleの開発者向け文書が念頭にある点に注意してください。

今回はA〜Dで始まる英語表現です。

参考URL: https://developers.google.com/style/word-list#letter-a (2021-6-24閲覧)

A

使わない英語解説
abort「中止する」の意味。stop、exit、cancel、endといった言葉を使う
above「上記の」の意味。precedingを使う
access動詞。できれば使用を避け、see、edit、find、use、viewといった普段使う言葉にする
aka「別名」の意味。略さない「also known as」にするか、カッコで別表記を提示するか、orを使う
allows you to 〜「lets you 〜」を使う。また「enables you to 〜」も避けるとしている
America、American南北アメリカ大陸を指すような場合は可だが、アメリカ合衆国を指す場合は使わない
アメリカ合衆国は「US」や「United States」、アメリカ合衆国民は「people in the US」を使う
and so onできるだけ使用を避け、どうしても使う場合は「etc.」を使う
ただし例示の表現は「such as 〜」や「including 〜」が推奨されている
applicationエンドユーザー向け(特にモバイルやウェブ)には一般的に「app」を使う
as「理由」を表現する場合にはbecauseを使う。asは多義なので表現があいまいになることがある

B

使わない英語解説
below「下記の」の意味。followingを使う
blacklist(black list、black-list)blacklist、whitelist、graylistは使わない。文脈に応じ、例えば以下のような言葉にする
・blacklist:denylist、excludelist、blocklist
・whitelist:allowlist、trustlist、safelist
・graylist:provisional list

C

使わない英語解説
cell phone「携帯電話」の意味。「mobile」か「mobile phone」を使う
check動詞。チェックボックスをチェックする意味ではselectを使う
なおチェックを外す場合はclear
click on自動詞の「click on」ではなく、他動詞の「click」を使う。例えば「Click on OK.」ではなく「Click OK.」
なお右クリックは「right-click」、左クリックは「left-click」、ダブルクリックは「double-click」とハイフンでつなぐ形
click here「ここをクリック」のようなリンク用テキストの場合。リンク先の内容を示す文言にする
comprise「構成する」の意味。代わりに「consist of」、「contain」、「include」を使う

D

使わない英語解説
deselectチェックボックスを「選択解除する」の意味。clearを使う
dialogueUIのダイアログの場合、「dialog」というスペルを使う
display「表示する」という動詞。自動詞として使わない
自動詞の場合はappearを使うか、「is displayed」と受け身の形にする
drag and drop動詞の場合はdragと1語にする。ただし形容詞として「drag-and-drop」は可

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[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/著者

訳書に「血と汗とピクセル」、著書に「アプリケーションをつくる英語」(第4回ブクログ大賞)、「ITエンジニアのための英語リーディング」、「ソフトウェア・グローバリゼーション入門」、「アプリ翻訳実践入門」など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得。

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