英文スタイルガイド解説(17):スラッシュ(/)の使い方

Googleが公開している開発者向け英文スタイルガイドから項目を1つ取り上げて紹介します。スタイルガイドは基本的には書く際に利用されますが、読む際にも参考になります。

スラッシュ(/)の使い方

URL: https://developers.google.com/style/slashes (2020-03-24閲覧)

今回はスラッシュ(/)の使い方です。英文はGoogleのサンプルを使用しています。

日付にスラッシュは使わない

スラッシュを使った日付表記はあいまいになりがちなので、使わないとしています(日付の書き方)。

  • ✕ 12/02/2017
  • ◯ February 12, 2017

同じ英語圏であっても、アメリカとイギリスでは月と日の順番が逆になります。アメリカ式は「月日年」の順、イギリス式は「日月年」の順です。つまり上記✕の例では、12月2日なのか、2月12日なのかが分かりません。

ただし「YYYY-MM-DD」(たとえば2017-02-12)はISO 8601で定められている形式であるため、可としています。

選択肢でスラッシュは使わない

いくつかの選択肢を提示する際にスラッシュで区切らないとしています。「および」ならandで、「または」ならorで明示します。

  • ✕ Call this method 5/6 times.
  • ◯ Call this method five or six times.

なお上記◯の例文で、数字「5」が「five」に変更されています。一般的に、10未満の数字はスペルアウトします(Googleスタイルガイドでも)。

分数でスラッシュは使わない

分数を表そうとしてスラッシュを使うと、分数なのか選択肢なのかが不明瞭になるため使わないとしています。以下の例では「4分の3」を表記しようとしています。

  • ✕ 3/4
  • ◯ ¾
  • ◯ 0.75
  • ◯ 75%

スラッシュを使う省略は使わない

たとえば「c/o」や「w/」など、スラッシュを使う省略があります。こういった省略は使わず、きちんとスペルアウトするとしています。

  • ✕ c/o、w/
  • ◯ care of、with

スラッシュと隣接する文字との間のスペース

Googleスタイルガイドには明記されていませんが、スラッシュと、それに隣接する文字との間にはスペースを入れないのが一般的とされます。たとえば「n/a」や「TCP/IP」といった表記です。

ただし2語以上を区切る際に、スペースを入れないと不明瞭になる場合は入れます。たとえば「New York/London」ではなく「New York / London」です。


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補足(2022-02-02更新)

Googleと同様、マイクロソフトもスタイルガイドを公開しています。マイクロソフトの説明を補足します。

マイクロソフトのスラッシュ

URL:https://docs.microsoft.com/ja-jp/style-guide/punctuation/slashes (2022-02-02閲覧)

Googleは使わない場面を挙げていましたが、マイクロソフトは使う場面を次のように挙げています。例はマイクロソフトからの引用です。

  1. 組み合わせを意味したいとき
    • 例:client/server、TCP/IP、CD/DVD drive
  2. インターネットのアドレスで区切りを示すとき
    • 例:ftp://example.com/downloads
  3. サーバーで、フォルダーやファイル名を示すとき
    • バックスラッシュの話です。なお環境によって円記号(¥)で表示されます
    • 例:\\mslibrary\catalog\collect.doc
  4. テキストで分数を表す際、分子と分母の間に
    • 例:a/x + b/y = 1、x + 2/3(y) = m
    • ここはGoogleと違う

また、使わないとしている場面も挙げられています。「or」の代わりに使うケースです(例:product/service)。ここはGoogleと同じく、orで明示します(例:product or service)。


[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/ソフトウェア開発者

訳書に「血と汗とピクセル」、「リセットを押せ」、著書に「アプリケーションをつくる英語」(第4回ブクログ大賞)、「ITエンジニアのための英語リーディング」、「ソフトウェア・グローバリゼーション入門」、「アプリ翻訳実践入門」など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得(専門は言語学)。TOEIC 985点。
東京通信大学外部講師。

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