予約語で覚える英単語:namespace、native、none、null

プログラミングをしていて必ず目にするのが予約語やキーワードです。そういった予約語やキーワードから英単語を覚えてみましょう。記事の英語難易度は「初〜中級」です。

今回はNから始まる英単語です。

namespace

namespaceは「名前空間」という名詞です。プログラミング必須英単語600+でアドバンスト300に入っています。name(名前)とspace(空間)からできていますが、namespaceで1つの単語である点に注意してください。

名前空間は、同じ名前が衝突しないように別々の空間を分ける際に用いられます。下記PHPのサンプルでは、「Hello」という同じ名前のクラスを異なる名前空間「SpaceOne」と「SpaceTwo」に作っています。

サンプル(PHP)

namespace SpaceOne;
class Hello {
public $greeting = "Space 1からこんにちは。"."\n\n";
}
$hello = new \SpaceOne\Hello;
echo $hello->greeting;

namespace SpaceTwo;
class Hello {
public $greeting = "Space 2からこんにちは。";
}
$hello = new \SpaceTwo\Hello;
echo $hello->greeting;

使うプログラミング言語の例

C#、PHP

native

nativeは「ネイティブの」という形容詞で、プログラミング必須英単語600+でアドバンスト300に入っています。

ネイティブとは、特定のプログラミング言語用であるという意味です。下記Java言語のサンプルでは、ネイティブのメソッドのみを定義し、処理の中身は別の言語(CやC++など)で実装します。

サンプル(Java)

class MyClass {
public native void myMethod();
}

使うプログラミング言語の例

Java

none

noneは「一つもなし」という代名詞で、ベーシック300の英単語です。

Python言語では、値がないことを示すのに先頭が大文字の「None」というキーワードを使います。下記のサンプルの通りです。なお、他の言語では次の項目で示す「null」などが用いられます。

サンプル(Python)

value = None
if value is None:
print('valueはNoneです。')
else:
print(f'valueは「{value}」です。')

使うプログラミング言語の例

Python

null

nullは形容詞で「空の、nullの」、名詞で「null」で、ベーシック300に入っています。英語の発音は「ヌル」よりも「ナル」に近いので注意しましょう。

下記サンプルのように、JavaScriptなどの言語では値がないことを示すのにnullというキーワードが用いられます。

サンプル(JavaScript)

const value = null;
if(value === null){
console.log(`valueはnullです。`);
} else {
console.log(`valueは「${value}」です。`);
}

使うプログラミング言語の例

C#、JavaScript、PHP

英単語まとめ

  • namespace【名詞】名前空間
    • アドバンスト300
  • native【形容詞】ネイティブの
    • アドバンスト300
  • none【代名詞】一つもなし
    • ベーシック300
    • Python言語のキーワードとしては先頭が大文字の「None」
  • null【形容詞】空の、nullの、【名詞】null
    • ベーシック300
    • 発音は「ヌル」よりも「ナル」に近い

[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/情報技術者

著書に『アプリケーションをつくる英語』(第4回ブクログ大賞)、『ITエンジニアのための英語ライティング』、『ITエンジニアのための英語リーディング』、『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得(専門は言語学)。TOEIC 985点。
東京通信大学外部講師。

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