予約語で覚える英単語:raise、ref、require

プログラミングをしていて必ず目にするのが予約語やキーワードです。そういった予約語やキーワードから英単語を覚えてみましょう。記事の英語難易度は「初〜中級」です。

今回はRで始まる単語の第1回目です。

raise

raiseは「上げる」や「引き起こす」という動詞です。プログラミングの文脈では、例外やエラーを「発生させる」の意味でよく使われます。例えば「raise an exception (error)」という表現です。

なお、raiseは他動詞なので目的語が必要です。混同しやすいriseは自動詞です。「(〜を)上げる」か「(〜が)上がる」の違いです。

下記のPythonのサンプルでは、例外(Exception)を発生させるのに「raise」というキーワードが使われています。

サンプル(Python)

result = 105

if result > 100:
raise Exception("結果の数字は100未満である必要があります。")

print(result)

使うプログラミング言語の例

Python

ref

refは「reference」の略で、プログラミング必須英単語600+で略語70に入っています。

そのreferenceは「参照」という名詞または「参照する」という動詞で、こちらもベーシック300の英単語になっています。

サンプルのC#では、”参照渡し”をする際にrefというキーワードが用いられます。参照渡しとは、値そのものではなく、値への参照を渡すことです。

サンプル(C#)

public void M(ref int refParameter)
{
refParameter += 42;
}

(出典:https://learn.microsoft.com/ja-jp/dotnet/csharp/language-reference/keywords/ref、2025-5-11参照)

使うプログラミング言語の例

C#

require

requireは「必要とする」という動詞で、プログラミング必須英単語600+でベーシック300に入っています。

PHPでは、関数などが書かれている外部ファイルを読み込む(必要とする)際にrequireというキーワードが使われます。下記サンプルでは、main.phpでrequireキーワードでmyfile.phpを読み込み、関数sayHelloを実行しています。

なお、PHPには「require_once」というキーワードもあります。こちらはonce(一度)だけ読み込む際に使われます。

サンプル(PHP)

main.php

<?php
require 'myfile.php';

$name = "太郎";
$welcome_message = sayHello($name);

echo $welcome_message;
?>

myfile.php

<?php
function sayHello($name) {
return "こんにちは、" . $name . "さん!";
}
?>

使うプログラミング言語の例

PHP

英単語まとめ

  • raise【動詞】上げる、引き起こす、発生させる
    • プログラミングでが例外やエラーを発生させる意味でよく使われる
    • raiseは他動詞、riseは自動詞
  • ref【名詞】referenceの略
    • プログラミング必須英単語600+で略語70
    • referenceは「参照」または「参照する」で、ベーシック300
  • require【動詞】必要とする
    • ベーシック300

[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/情報技術者

著書に『アプリケーションをつくる英語』(第4回ブクログ大賞)、『ITエンジニアのための英語ライティング』、『ITエンジニアのための英語リーディング』、『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得(専門は言語学)。TOEIC 985点。
東京通信大学外部講師。

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