Googleが公開している開発者向け英文スタイルガイドから項目を1つ取り上げて紹介します。スタイルガイドは基本的には書く際に利用されますが、読む際にも参考になります。
APIリファレンスのメソッドの書き方 ― 2
URL:https://developers.google.com/style/api-reference-comments#parameters (2020-07-30閲覧)
APIリファレンスの書き方に関するページから紹介します。前回はメソッド説明の書き方を取り上げました。今回はメソッドのパラメーターや戻り値などの書き方です。なお英語例文はGoogleのものです。
パラメーター
パラメーターの説明を書く際は、以下のガイドラインに従います。
- 大文字で書き始め、末尾にはピリオドを付ける
- ブール値でなければ、定冠詞(the)や不定冠詞(a)で書き始める
- 上記例:
- The ID of the bird you want to get.
- A description of the bird.
- 上記例:
- ブール値であれば、「If true/false, <命令文>」や「True if 〜; false otherwise.」といった構文にする
- 例:
- If true, turn traffic lines on. If false, turn them off.
- True if the zoom is set; false otherwise.
- 例:
簡潔な記述を目的としているため、主語と動詞がある「きちんとした」英文ではありません。そのため、慣れてなければ違和感を覚えるかもしれません。
また「True if 〜; false otherwise.」は「〜ならtrue、そうでなければfalse」という意味で、APIリファレンスに特有の表現です。otherwiseはプログラミング必須英単語600+のアドバンスト300に入っていますが、この構文での使い方が目立ちます。
戻り値
- ブール値以外であれば、「The …」で書き始める
- 例:
- The bird specified by the given ID.
- 例:
- ブール値であれば、「True if …; false otherwise.」という構文にする
- 例:
- True if the bird is in the sanctuary; false otherwise.
- 例:
ブール値以外は「The …」(定冠詞)とされていますが、実際には不定冠詞(a)で示すのが適当な戻り値もあります。
例外
- 見出しにすでに「Throws」という言葉があれば「If …」で書き始める
- 例:
- If no key is assigned.
- 例:
- なければ「Thrown when …」で書き始める
- 例:
- Thrown when no key is assigned.
- 例:
なおthrownはthrow(スローする。ベーシック300)の過去分詞形で、「スローされる」という意味です。
非推奨
メソッドなどが非推奨となった場合、文の最初にその旨を書きます。後続の文に理由や代替手段を書きます。
- 例:
- Deprecated. Use #CameraPose instead.
- Deprecated. Access this field using the getField() method.
deprecatedは「非推奨の」という意味の形容詞で、アドバンスト300に入っています。
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