英文スタイルガイド解説(14):UI要素の書き方5 ― 操作を表す動詞

Googleが公開している開発者向け英文スタイルガイドから項目を1つ取り上げて紹介します。スタイルガイドは基本的には書く際に利用されますが、読む際にも参考になります。

操作を表す動詞

URL: https://developers.google.com/style/ui-elements#verbs (2020-12-29閲覧)

UI上での操作を表す際に用いる動詞がいくつかあります。操作説明を読んだり書いたりするのに覚えておきたい言葉ばかりです。なおサンプル英文はGoogleのものです。

Click(クリックする)

clickは「他動詞」として用いることとされています。つまり、以下の例のように前置詞onは入れず、clickの直後に目的語(「OK」というラベル)を置きます。

  • ✕ Click on OK.
  • ◯ Click OK.

ただし、背面にあるウィンドウをクリックして前面に表示するような場合は前置詞inを入れて「Click in the window.」としてよいとされています。具体的な何かをクリックする(他動詞)というより、ウィンドウ枠内で単にクリック操作をする(自動詞)という捉え方のためでしょう。

また右クリック、左クリック、ダブル・クリックという動詞は、それぞれ「right-click」、「left-click」、「double-click」とハイフンでつなぐ形とします。

Drag(ドラッグする)

動詞dragを用いる際に「click and drag」や「drag and drop」という表現は使わないとしています。これは、dragという動詞自体に「マウス・ボタンをクリックしたまま移動させ、目的地でボタンを離す」という一連の動作が含意されており、「click and drag」や「drag and drop」では冗長だからだと思われます。

  • ◯ Drag the USER to the Authorized box.

ただし形容詞としての「drag-and-drop」は可です。

Enter、Type(入力する)

テキストの入力を示す際はどちらの動詞も使えます。

  • ◯ In the Owner box, enter your name.
  • ◯ In the Size box, type or select a font size.

特にtypeは名詞の「型」や「タイプ」と読み間違えることが多いので、注意しましょう。

Hold the pointer over(ポインターを〜の上に置く)

少しの間、マウスのポインターをアイコンなどの上に置いておく動作は、一般的に「ホバー」(hover)と呼ばれます。しかしGoogleスタイルガイドでは、このhoverではなく「hold the pointer over」という表現を使うとしています。理由は不明ですが、より具体的あるいは説明的だからかもしれません。

  • ◯ In the Admin menu, hold the pointer over File, and then click New.

Press(押す)

キーボードのキー(やその組み合わせ)を押す動作で使います。

  • ◯ Press Control+C (or Command+C on Mac).

上記例で、キー名はUIラベルと違ってボールド表記にしていない点に注意してください。キー名には等幅フォントを使い、HTMLでは<kbd>要素で囲みます(参考)。

Select(選択する)

メニューで項目を選ぶ際に使います。状況によっては「click」や「check」(チェックボックスの選択)という動詞の代わりに「select」を使ってもよいとしています。

  • ◯ Select File > New.
  • ◯ In the Font drop-down list, select Roboto.

なお同義語に「choose」がありますが、chooseはより日常語に近いと言えます。selectは特にメニューから選ぶ際に用いられます。


(ライセンス表示: Portions of this page are modifications based on work created and shared by Google and used according to terms described in the Creative Commons 4.0 Attribution License.)


[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/著者

訳書に「血と汗とピクセル」、著書に「アプリケーションをつくる英語」(第4回ブクログ大賞)、「ITエンジニアのための英語リーディング」、「ソフトウェア・グローバリゼーション入門」、「アプリ翻訳実践入門」など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得。

リンク:ブログTwitter

Profile Picture