Google Apps Script「マニフェストとは」の英語を読む

プログラミング時に目にする英語ドキュメントをじっくり読んでいきます。1文ずつ解説しつつ、英語を英語のまま理解できるような練習をします。ここではスラッシュ・リーディングの手法を使います。

スラッシュ・リーディングとは

スラッシュ・リーディングでは英文を区切りつつ、英語の語順のままで理解します。これによって英語を脳内で日本語に変換しないため、素早く英語を読めるようになります。スラッシュで区切る場所に厳密な決まりはありませんが、「句」や「節」の単位で区切ると意味が把握しやすくなるかと思います。

その際、少しだけですが文法用語を使います。こちらのページで簡単に解説しているので、もし分からない文法用語があったら確認してみてください。


※ 同じ内容を動画でも公開しています。


今回読む英語

Google Apps Scriptのガイドを読んでみます。今回読むのは、「マニフェスト」とは何かに関するページの最初の部分です。

URL:https://developers.google.com/apps-script/concepts/manifests (2022-05-25アクセス)

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テキスト全体

以下が今回読むテキストの全体です。末尾で音声も再生できます。

Manifests

An Apps Script project manifest is a special JSON file that specifies a basic project information that Apps Script needs to run the script successfully.

Apps Script automatically creates and updates the project manifest as you create your script project and make changes in the Apps Script editor. In most cases you never need to view or edit the manifest directly; however, in certain situations it may be beneficial or required.

第1文

全体を1文ずつ読んでいきます。

An Apps Script project manifest is a special JSON file / that specifies a basic project information / that Apps Script needs to run the script successfully.

第1文です。まず冒頭から最初のthatの前までです。An Apps Script project manifestが主語でS、isが動詞でV、a special JSON fileが主語の補語でCです。つまりSVCのいわゆる第2文型です。これが文の主節となります。なお、specialは「特殊な」や「特別な」という形容詞です。日本語にすると「Apps Scriptプロジェクトのマニフェストは特殊なJSONファイルだ」となります。

続いて最初のthatから次のthatの手前までです。最初のthat以降は従属節、かつ直前の名詞を修飾する形容詞節になります。節なので内部には主語と動詞があります。主語に当たるのは関係代名詞thatで、直前のa special JSON file(先行詞)を指します。つまり主格の関係代名詞です。また動詞はspecifiesです。specifyは「指定する」という動詞で、プログラミング必須英単語600+でベーシック300に入っている英単語です。次のa basic project informationは目的語となります。要するにこの節の中ではSVOのいわゆる第3文型の形になっています。日本語にすると、「これは基本的なプロジェクト情報を指定する」です。

2つ目のthat以下です。これも関係代名詞thatを使った従属節かつ形容詞節で、内部に主語と動詞が含まれています。主語はApps Script、動詞はneedsです。また関係代名詞thatは直前のa basic project information(先行詞)を指し、needsの目的語となります。つまり目的格の関係代名詞です。次のto不定詞以下は副詞句です。runは「実行する」という動詞で、プログラミング必須英単語600+の前提英単語100の英単語です。さらにsuccessfullyは「正常に」という副詞で、こちらはアドバンスト300の英単語です。日本語にすると「スクリプトを正常に実行するためにApps Scriptはこれを必要とする」です。

関係代名詞thatを使って後ろにどんどん修飾語句が付け足されています。これが日本語とは違う英語の大きな特徴となっています。

全体をスラッシュ・リーディングするとこうです。

Apps Scriptプロジェクトのマニフェストは特殊なJSONファイルだ / これは基本的なプロジェクト情報を指定する / スクリプトを正常に実行するためにApps Scriptはこれを必要とする

日本語として整えると、「Apps Scriptプロジェクトのマニフェストは特殊なJSONファイルです。このファイルでは、スクリプトを正常に実行するためにApps Scriptが必要とする基本的なプロジェクト情報が指定されます」となります。

第2文

続いて第2文です。

Apps Script automatically creates and updates the project manifest / as you create your script project and make changes in the Apps Script editor.

冒頭からasの直前までです。主語はApps Scriptです。automaticallyは「自動で」や「自動的に」という副詞で、アドバンスト300の単語です。続くcreatesとupdatesが動詞で、等位接続詞andで結ばれています。まずcreateは「作成する」という動詞で前提英単語100、次にupdateは「更新する」という動詞でベーシック300に入っています。最後のthe project manifestが目的語になります。つまりSVOの形をした主節となります。まとめると、「Apps Scriptは自動でプロジェクトのマニフェストを作成および更新する」となります。

次にas以降です。このasは「〜と同時に」という意味の接続詞です。ここから従属節が始まります。従属節なので内部に主語と動詞があります。まず主語はyouです。次のcreateが動詞で、your script projectがそのcreateの目的語です。そして等位接続詞andが置かれています。つまり、続く動詞makeとその目的語changesが、andの前と同じレベルでつながれています。なお、ここのchangeは動詞ではなく、名詞である点に注意してください。「make change」で「変更を加える」の意味になります。最後の「in the Apps Script editor」は「Apps Scriptエディター内で」という意味の副詞句です。スラッシュ・リーディングする際はinの前で区切っても構いません。まとめると、「あなたがApps Scriptエディター内でスクリプトのプロジェクトを作成したり変更を加えたりするのと同時に」です。

全体をスラッシュ・リーディングするとこうです。

Apps Scriptは自動でプロジェクトのマニフェストを作成および更新する / あなたがApps Scriptエディター内でスクリプトのプロジェクトを作成したり変更を加えたりするのと同時に

日本語として整えると、「Apps Scriptは、Apps Scriptエディター内でスクリプトのプロジェクトが作成されたり変更が加えられたりするのに合わせ、自動でプロジェクトのマニフェストを作成および更新します」です。

第3文

最後の第3文です。

In most cases you never need to view or edit the manifest directly; / however, in certain situations it may be beneficial or required.

「In most cases」は「ほとんどの場合」という副詞句です。スラッシュ・リーディングではここで区切っても構いません。

次のyouからセミコロン(;)までです。youが主語、needが動詞です。そしてto不定詞以下は名詞句で、かたまりとしてneedの目的語となっています。つまりSVOの形です。目的語となっている名詞句の中を見ると、viewは「表示する」という動詞でベーシック300の英単語です。またorでつながれているeditは「編集する」という動詞で同じくベーシック300です。この2つの動詞の目的語となっているのはmanifestという名詞です。またdirectlyは「直接的に」という副詞です。つまりここまでで「ほとんどの場合、マニフェストを直接的に表示したり編集したりする必要はない」となります。最後にセミコロンがあります。日本語にない句読点なので意味が分かりにくいでしょう。セミコロンは、andやbutといった接続詞を使わず、文や独立節どうしをつなぐ役割を果たします。

続いてhoweverからです。howeverは「しかしながら」という副詞です。butとは違い、接続詞ではない点に注意してください。そのためサンプルのように、直前のセミコロンと合わせて用いられることがあります。「in certain situations」は「ある状況では」という副詞句です。文頭の「in most cases」と対比されている点に注目してください。スラッシュ・リーディングではこの後で区切っても構いません。次のitが主語で、前の「to view or edit the manifest directly」を指しています。また助動詞mayとbeで動詞の役割を果たしています。その後のorで結ばれた形容詞2つが補語となります。つまりSVCの形です。beneficialは「役に立つ」や「有益な」、requiredは「必須の」や「必要な」という形容詞です。まとめると、「しかしある状況ではそれは有益だったり必要だったりする」です。

全体のスラッシュ・リーディングをまとめます。

ほとんどの場合、マニフェストを直接的に表示したり編集したりする必要はない / しかしある状況ではそれは有益だったり必要だったりする

日本語として整えると、「ほとんどの場合、マニフェストを直接的に表示したり編集したりする必要はありませんが、ある状況では有益だったり必要だったりします」です。

英単語まとめ

今回登場した英単語をまとめます。(「アドバンスト300」などはプログラミング必須英単語600+の分類)

  • special【形容詞】特殊な、特別な
  • specify【動詞】指定する(ベーシック300)
  • run【動詞】実行する(前提英単語100)
  • successfully【副詞】正常に(アドバンスト300)
  • create【動詞】作成する(前提英単語100)
  • update【動詞】更新する(ベーシック300)
  • as【接続詞】〜と同時に
  • view【動詞】表示する(ベーシック300)
  • edit【動詞】編集する(ベーシック300)
  • directly【副詞】直接的に
  • beneficial【形容詞】役に立つ、有益な
  • required【形容詞】必須の、必要な

[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/ソフトウェア開発者

訳書に「血と汗とピクセル」、「リセットを押せ」、著書に「アプリケーションをつくる英語」(第4回ブクログ大賞)、「ITエンジニアのための英語リーディング」、「ソフトウェア・グローバリゼーション入門」、「アプリ翻訳実践入門」など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得(専門は言語学)。TOEIC 985点。
東京通信大学外部講師。

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