英文スタイルガイド解説(1):節の順序

日本語ネイティブ向け英語スタイルガイドの「IT英語スタイルガイド」も公開しています。まとまった情報が必要な場合にご参照ください。

Googleが公開している開発者向け英文スタイルガイドから項目を1つ取り上げて紹介します。スタイルガイドは基本的には書く際に利用されますが、読む際にも参考になります。


節を書く順序(Clause order)

URL:https://developers.google.com/style/clause-order

ユーザーに対して指示文を書く場合、先に指示ではなく、条件(条件節*)を書くようにします。
Googleではまず以下の例を挙げています。

✕ See [リンク] for more information.
◯ For more information, see [リンク].

いきなり「See …」と指示を書くのではなく、「詳細情報が必要なら」と条件をまず書きます。次の例も同様です。

✕ Click Delete if you want to delete the entire document.
◯ To delete the entire document, click Delete.

いきなり「Click Delete …」という指示ではなく、「文書全体を削除する場合には」と条件を書くようにします。

こうすると、ユーザーは条件に該当しなければ、全文を読む必要がありません。

また、先に指示を書いておくと、ユーザーは条件を読まないまま、すぐ指示を実行してしまう可能性があります。特に2つ目の例の場合、文書全体を削除するという重大な結果につながる恐れがあります。

*「節」とは、文の構成要素中で「主語+述語」がある部分のこと。

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[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/情報技術者/IT英語専門家

訳書に『血と汗とピクセル』、『リセットを押せ』、著書に『アプリケーションをつくる英語』(第4回ブクログ大賞)、『ITエンジニアのための英語ライティング』、『ITエンジニアのための英語リーディング』、『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得(専門は言語学)。TOEIC 985点。
東京通信大学外部講師。

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