頻出英語表現(3):たとえば

プログラミング関連のドキュメントで頻出する英語表現を紹介します。とりわけAPIリファレンスやマニュアルでよく用いられる表現を取り上げます。


今回は「たとえば」と例示をする際の表現です。

▼ such as

何かしら名詞を提示した後に、具体的な例として出す際に使われます。例:

  • You need devices such as PCs, tablets, and smartphones.
    • たとえばPC、タブレット、およびスマートフォンといったデバイスが必要です。

なお、such asのあとに例を複数列挙する場合、andなのかorなのか迷うことがあります。辞書や文法書に使い分けが明示されていることはあまりなく、確立したルールはなさそうです。ただ、コーパス(言語資料)で使用傾向を見ると、上記例のように「devices」と名詞複数形の場合には「and」、単数形の場合には「… a device such as a PC, a tablet, or a smartphone」と「or」を使うケースが目に付くように感じます。

such as以外

上記「such as」が最も多く出現するのですが、同じように使われる言葉もあります。likeincludinge.g.です。例:

  • Components like buttons and fields
    • ボタンやフィールドのようなコンポーネント
    • ※この場合のlikeは前置詞の扱い
  • All assets, including audios, videos, and images will be downloaded.
    • オーディオ、ビデオ、画像を含むすべてのアセットがダウンロードされます。
    • ※この場合のincludingは前置詞の扱い
  • Month must be two digits (e.g., 09)
    • 月は2桁でなければならない(たとえば、09)
    • ※ラテン語のexempli gratiaの略

▼ for example

文頭で「たとえば、〜」と書く場合、「For example, …」がよく用いられます。例:

  • For example, you can create another account.
    • たとえば、別のアカウントを作成できます。

「for example」と似たような使い方ができるのが「for instance」です。「for example」を基本で使いつつ、マニュアルなどを書く際に表現が単調になるのを避けるのに使えます。例:

  • For instance, the username or the password is invalid.
    • たとえば、ユーザー名かパスワードが無効です。

[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/情報技術者/IT英語専門家

訳書に『血と汗とピクセル』、『リセットを押せ』、著書に『アプリケーションをつくる英語』(第4回ブクログ大賞)、『ITエンジニアのための英語リーディング』、『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』、『アプリ翻訳実践入門』など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得(専門は言語学)。TOEIC 985点。応用情報技術者、情報処理安全確保支援士試験合格。
東京通信大学外部講師。

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