英文スタイルガイド解説(16):引用符の使い方

Googleが公開している開発者向け英文スタイルガイドから項目を1つ取り上げて紹介します。スタイルガイドは基本的には書く際に利用されますが、読む際にも参考になります。

引用符の使い方

URL: https://developers.google.com/style/quotation-marks (2021-2-25閲覧)

今回は引用符(クォーテーション・マーク)です。二重引用符(ダブル・クォーテーション・マーク)と一重引用符(シングル・クォーテーション・マーク)の2種類があります。なお英文サンプルはGoogleのものです。

引用符とカンマ/ピリオド

イギリス英語では、カンマやピリオドは引用符の外に置かれます。一方でアメリカ英語では引用符の中に置かれます。たとえば次のような形です。末尾に注目してください。

  • イギリス式:See the section titled “Care and feeding of the emu”.
  • アメリカ式:See the section titled “Care and feeding of the emu.”

このアメリカ式は論理的ではないという批判があるようです(上記例の場合、ピリオドは文全体に関係するので、引用符の外に置くべきという考え方)。ただし慣習的にアメリカ式は広く使われているという理由で、Googleのスタイルではアメリカ式を使うとしています。

しかしプログラミングにおけるキーワードなどで、引用符内の文字そのものを示したい場合、カンマやピリオドは引用符の外に置くとしています。ただしソースコード用フォントを使う場合、引用符では囲みません。

  • ✕ If you enter “escape,” the program crashes.
  • ◯ If you enter “escape”, the program crashes.
  • ◎ If you enter escape, the program crashes.(※ escape部分のフォントが違う)

直線型と曲線型

引用符には、直線型と曲線型があります。Googleのスタイルでは常に直線型を使うとしています。

※ 注:表示フォントの関係でどちらも同じに見えているかもしれません。

  • ✕ The section’s title is “Care and feeding of the emu.”
  • ◯ The section’s title is “Care and feeding of the emu.”

直線型を使う理由として、以下を挙げています。

  • 曲線型は左用(“)と右用(”)を間違いやすい
  • ソースコードでは直線型が必須
  • 開発用ツールでは直線型を曲線型に自動変換しない

一重引用符を使う場面

Googleスタイルガイドでは、以下の場面で一重引用符を使うとしています。

  • 一重引用符を使うプログラミング言語のコード例
  • 引用符内で使う場合(入れ子)

後者の場合、アメリカ式では、上位レベルで二重引用符を使い、下位レベルで一重引用符を使います。以下の形です。

  • ◯ She said, “I heard him shout ‘Help,’ and saw him floundering in the water.”

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[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/著者

訳書に「血と汗とピクセル」、著書に「アプリケーションをつくる英語」(第4回ブクログ大賞)、「ITエンジニアのための英語リーディング」、「ソフトウェア・グローバリゼーション入門」、「アプリ翻訳実践入門」など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得。

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