頻出英語表現(19):勧める

プログラミング関連のドキュメントで頻出する英語表現を紹介します。とりわけAPIリファレンスやマニュアルでよく用いられる表現を取り上げます。

記事の英語難易度は「初級〜中級」です。


今回は「〜をお勧めします」や「〜を推奨します」という表現です。

recommendを使った表現

やはり頻出するのは「推奨する」という意味の動詞「recommend」を使った表現です。

パターンをいくつか見てみましょう。

It is recommended that 〜

「(誰かが何かをすることを)推奨する」という意味です。

that以下(文法的に言うと「that節」)には、主語と動詞の役割を果たす語が現れます。下記の1つ目の例文だとyouとuseです。

例:

  • It is recommended that you use the toString() function instead.
    • 訳:代わりにtoString()関数を使うことを推奨します。
    • instead[副詞]代わりに
  • It is recommended that the file be saved manually.
    • 訳:ファイルを手作業で保存することをお勧めします。

2番目の例文のthat節内は「the file be saved」となっています。isではなくbeです。

これは、「it is 〜 that 〜」の構文でrecommend、advise(忠告する)、demand(要求する)、order(命令する)、suggest(提案する)など推奨や要望の動詞が使われると、that節内の動詞が原形になるためです。文法用語だと「仮定法現在」です。

ただし、実際には原形ではない形(例文のケースだとis)が使われるサンプルも目立ちます。もしこの構文に遭遇して「何で原形?」と感じたら、上記のルールがあることを思い出してみてください。

It is recommended to 〜

「(〜することを)推奨する」という意味です。toの後には動詞が入ります。

例:

  • It is recommended to use the following rules where applicable.
    • 訳:該当する場合は、次のルールを使うことを推奨します。
    • applicable[形容詞]該当する
      • 「where(またはif) applicable」で「該当する場合は」の意味

We recommend that 〜

最初の構文と同じく、「(誰かが何かをすることを)推奨する」の意味です。that以下(that節)には、主語と動詞の役割を果たす語が現れます(下記例だとyouとspecify)。

なお「we」はドキュメントを提供している組織を指します。通常は訳出されませんが、もしするなら「当社」や「本プロジェクト」などさまざまな言葉が考えられるでしょう。

例:

  • We recommend that you specify a value between 10 and 100.

婉曲的な推奨

recommendのように直接的に推奨せず、婉曲的に(遠回しに)推奨する表現もよく登場します。

You might want to 〜

文字通り日本語にすると「あなたは〜したいかもしれない」です。もちろんこの意味もありますが、文脈によっては「〜してもよいでしょう」のような控えめな推奨を表すことがあります。文脈からニュアンスを判断しましょう。

例:

  • After you add a device, you might want to change the settings.
    • 訳:デバイスを追加した後、設定を変更してもよいでしょう。

useful

usefulは「便利な」という形容詞です。プログラミング必須英単語600+の前提英単語です。

何かが「便利である」と伝えることで、それを婉曲的に推奨します。こちらも文脈から推奨のニュアンスを判断する必要があります。

例:

  • This method can be useful if you want to convert a string to an Integer object.
    • 訳:このメソッドは、文字列を整数オブジェクトに変換したい場合に便利です。
    • convert[動詞]変換する
      • プログラミング必須英単語600+の「アドバンスト」の単語
  • This is useful for editing user accounts.
    • 訳:これはユーザー・アカウントを編集するのに便利です。
    • 「be useful for 〜ing」(〜するのに便利)の形は頻出

[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/ソフトウェア開発者

訳書に「血と汗とピクセル」、「リセットを押せ」、著書に「アプリケーションをつくる英語」(第4回ブクログ大賞)、「ITエンジニアのための英語リーディング」、「ソフトウェア・グローバリゼーション入門」、「アプリ翻訳実践入門」など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得(専門は言語学)。TOEIC 985点。
東京通信大学外部講師。

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