MS英文スタイルガイド:日時の書き方

日本語ネイティブ向け英語スタイルガイドの「IT英語スタイルガイド」も公開しています。まとまった情報が必要な場合にご参照ください。

Microsoftが公開している英文スタイルガイドから項目を取り上げて紹介します。


今回は日付や時刻などの書き方です。

なお、Google英文スタイルガイドの「日時の書き方」も以前解説しました。

日付など

まず、日付、曜日、月、季節に関連する表現を取り上げます。

日付

日付には「月日年」の形式を使います。

  • 例:July 31, 2016

「月日年」はアメリカ式で、イギリス式の「日月年」の順にはしません。また、日で「1st」、「12th」、「23rd」といった序数は使いません。

ただしUI上では、スラッシュを使った表記は可です。

  • 例:2/16/16
    • 上記例は2016年2月16日のこと

曜日

曜日の名前は大文字で書き始めます。

  • 例:Sunday、Monday…

基本的に略語は使いませんが、スペースが限られている場合は可です。略語は3文字のものを使い、末尾にピリオドは付けません。

  • 3文字の略語:Sun、Mon、Tue、Wed、Thu、Fri、Sat

カレンダーやアプリの日付選択ダイアログなどでは、1文字または2文字の略語も可です。

  • 2文字の略語:Su、Mo、Tu、We、Th、Fr、Sa
  • 1文字の略語:S、M、T、W、T、F、S

月の名前は大文字で書き始めます。

  • 例:January、February…

基本的に略語は使いませんが、スペースが限られている場合は可です。略語は3文字のものを使い、末尾にピリオドは付けません。

  • 3文字の略語:Jan、Feb、Mar、Apr、May、Jun、Jul、Aug、Sep、Oct、Nov、Dec

季節

季節で時期を示すことは可能な限り避け、月や四半期で示します。もし季節を使う場合は、北半球か南半球かも明示します(北半球の夏は南半球の冬)。

季節名は小文字で書き始めます。

  • 季節名:spring、summer、fall/autumn、winter
    • なおfallは主にアメリカ、autumnは主にイギリス
    • 季刊雑誌の号名は大文字でも可。例:Spring 2017

時刻関連

続いて、時刻に関連する表現です。

時刻

時刻は数字を使い、常に「AM」または「PM」を付けます。

  • 例:2:00 AM、4:15 PM

読者が海外からイベントに参加するような場合は、タイムゾーン(後述)も記載します。

午前と午後

「AM」と「PM」を使います。大文字とし、時刻の後にスペースを挟んで置きます。

  • 例:10:45 AM、6:30 PM

時間の範囲

文中では「to」を使って示します。

  • 例:10:00 AM to 2:00 PM

スケジュールやリストでは、enダッシュ(短いダッシュ)を使います。enダッシュの前後にはスペースは入れません。

  • 例:10:00 AM–2:00 PM

タイムゾーン

タイムゾーン名の各単語は大文字で書き始めます。また、スペースが限られている場合に略語を使えます。標準時(standard time)か夏時間(daylight saving time)かは、特に必要でない限り付けません。

  • アメリカのタイムゾーン名:Eastern Time、Central Time、Mountain Time、Pacific Time
  • 略語:ET、CT、MT、PT

タイムゾーン名がない場合、協定標準時(UTC)との差で示します。

  • 例:UTC+7

一部のタイムゾーン名は複数の場所で使われているので、国やUTCを付記して誤解が生じないようにします。

  • 例:
    • Eastern Time (UTC-5)
    • Eastern Time (UTC+10)
    • Eastern Time (Australia)

その他の時刻関連表現

  • 「24/7」
    • 使わない。「all day」、「every day」、「always」などの表現を使う
  • 12時
    • 夜は「midnight」、昼は「noon」が使える

略語

時間に関連した英単語を略して書く場合、以下の略語を使います。

単位略語
dayd(表示スペースがある場合はスペルアウトする)
hourh
microsecond略さない
millisecondms
minutemin
monthmo(表示スペースがある場合はスペルアウトする)
nanosecond略さない
secondsec
weekwk(表示スペースがある場合はスペルアウトする)
yearyr(表示スペースがある場合はスペルアウトする)

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[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/情報技術者/IT英語専門家

訳書に『血と汗とピクセル』、『リセットを押せ』、著書に『アプリケーションをつくる英語』(第4回ブクログ大賞)、『ITエンジニアのための英語ライティング』、『ITエンジニアのための英語リーディング』、『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得(専門は言語学)。TOEIC 985点。
東京通信大学外部講師。

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