プログラミングをしていて必ず目にするのが予約語やキーワードです。そういった予約語やキーワードから英単語を覚えてみましょう。記事の英語難易度は「初〜中級」です。
今回はEで始まる単語の1回目で、echoやelseなどを取り上げます。
- 1. echo
- 1.1. サンプル(PHP)
- 1.2. 使うプログラミング言語の例
- 2. else
- 2.1. サンプル(JavaScript)
- 2.2. 使うプログラミング言語の例
- 3. elseif、elif、elsif
- 3.1. サンプル(Python)
- 3.2. 使うプログラミング言語の例
- 4. empty()
- 4.1. サンプル(PHP)
- 4.2. 使うプログラミング言語の例
- 5. ensure
- 5.1. サンプル(Ruby)
- 5.2. 使うプログラミング言語の例
- 6. enum
- 6.1. サンプル(Java)
- 6.2. 使うプログラミング言語の例
- 7. eval()
- 7.1. サンプル(PHP)
- 7.2. 使うプログラミング言語の例
- 8. event
- 8.1. サンプル(C#)
- 8.2. 使うプログラミング言語の例
- 9. 英単語まとめ
echo
echoはそのままechoで、「反響させる、こだまする」という動詞です。名詞の場合は「エコー、反響、こだま」の意味があります。
PHPでは文字列を出力するのに使われます。声が反響する「こだま」(やまびこ)のようなイメージです。
サンプル(PHP)
echo "こんにちは!";
使うプログラミング言語の例
PHP
else
elseもそのままelseで、「ほかに、別に」という副詞です。
elseはプログラミングでifと一緒に用いられます。ifがtrue(真)でない場合にelseが実行されます。サンプルでは、変数aが0なら「aは0です」と表示され、そうでなければ「aは0ではありません」が実行されます。
サンプル(JavaScript)
a = 15;
if(a == 0){
console.log("aは0です");
} else {
console.log("aは0ではありません");
}
使うプログラミング言語の例
C#、Java、JavaScript、PHP、Python、Ruby
elseif、elif、elsif
いずれも「else if」を短くした形です。elseifはPHP、elifはPython、elsifはRubyで用いられます。
ifがtrueでなく、このelseifなどがtrueであった場合に実行されます。サンプルでは、xが0なら「aは0です」、0より大きければ「aは0より大きいです」、それ以外なら「aは0以上ではありません」と出力されます。
サンプル(Python)
a = 3
if a == 0:
print('aは0です')
elif a > 0:
print('aは0より大きいです')
else:
print('aは0以上ではありません')
使うプログラミング言語の例
PHP、Python、Ruby
empty()
empty()はそのまま「empty」です。「空の」という形容詞で、プログラミング必須英単語600+のベーシック300に入っている英単語です。
PHPでは、変数が空かどうかを判別するのに使われます。下記サンプルでは、引数の変数「$a」の中身が空かどうかを確かめています(0も空と同じくtrue)。
サンプル(PHP)
$a = '';
if (empty($a)) {
echo '$aは空または0です';
} else {
echo '$aは空または0ではありません';
}
使うプログラミング言語の例
PHP
ensure
ensureもそのままensureで、「確実にする、確かめる」という動詞です。プログラミング必須英単語600+でアドバンスト300に入っている英単語です。
マニュアルなどでは「Ensure that ◯◯」で「◯◯であることを確実にしてください(確かめてください)」の構文でよく用いられます。例えば「Ensure that this option is selected.」(このオプションが選択されていることを確かめます)です。
Rubyの予約語ensureは例外処理で最後に(確実に)実行する場面で用いられます。下記サンプルでは、begin部分にファイルを開く処理、rescue部分に例外処理、そして最後のensure部分にファイルを閉じる処理が書かれています。
サンプル(Ruby)
begin
file = open("/tmp/some_file", "w")
# ... write to the file ...
rescue
# ... handle the exceptions ...
ensure
file.close # ... and this always happens.
end
(出典:https://ruby-doc.org/docs/ruby-doc-bundle/UsersGuide/rg/ensure.html、2023-11-18参照)
使うプログラミング言語の例
Ruby
enum
enumは「enumeration」(またはenumerate)の略です。enumerationは「列挙」という名詞で、プログラミング必須英単語600+のアドバンスト300に入っています。なおenum自体も略語70に入っています。
下記サンプルでは、enum型(列挙型)であるTraceLevelで、OFF、LOW、MEDIUMなどを定義しています。
サンプル(Java)
enum TraceLevel { OFF, LOW, MEDIUM, HIGH, DEBUG }
(出典:https://docs.oracle.com/javase/tutorial/reflect/special/enumSetGet.html、2023-11-18参照)
使うプログラミング言語の例
C#、Java、JavaScript
eval()
eval()は「evaluate」の意味です。evaluateは「評価する、数値を求める」という動詞です。
PHPでeval()は、文字列をコードとして評価します。下記サンプルでは、eval()に引数で与えられた文字列はコードと評価され、変数outputにあいさつ文が代入されます。最終的には変数outputが出力されています。
サンプル(PHP)
$name = 'Taro';
$text = 'Hello, $name!';
eval("\$output = \"$text\";");
echo $output; # 「Hello, Taro!」と出力
使うプログラミング言語の例
PHP
event
eventはそのままeventです。「イベント、出来事」という名詞で、プログラミング必須英単語600+で前提英単語100に入っています。
プログラミングでは「マウスのボタンが押された」など何らかの出来事がイベントと呼ばれます。下記サンプルでは、イベントの宣言部分にeventキーワードが用いられています。
サンプル(C#)
public event EventHandler RaiseCustomEvent;
(出典:https://learn.microsoft.com/ja-jp/dotnet/csharp/programming-guide/events/how-to-publish-events-that-conform-to-net-framework-guidelines、2023-11-18参照)
使うプログラミング言語の例
C#
英単語まとめ
- echo【動詞】反響させる、こだまする
- 【名詞】エコー、反響、こだま
- else【副詞】ほかに、別に
- empty【形容詞】空の
- ベーシック300
- ensure【動詞】確実にする、確かめる
- アドバンスト300
- enum:enumeration(またはenumerate)の略
- 略語70
- enumeration【名詞】列挙
- evaluate【動詞】評価する、数値を求める
- event【名詞】イベント、出来事
- 前提英単語100
[筆者紹介]
西野 竜太郎
Ryutaro Nishino
翻訳者/情報技術者
著書に『アプリケーションをつくる英語』(第4回ブクログ大賞)、『ITエンジニアのための英語ライティング』、『ITエンジニアのための英語リーディング』、『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得(専門は言語学)。TOEIC 985点。
東京通信大学外部講師。
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