プログラミング関連のドキュメントで頻出する英語表現を紹介します。とりわけAPIリファレンスやマニュアルでよく用いられる表現を取り上げます。
今回は「◯◯に注意(留意)してください」という表現です。気を付けてもらったり、重要な点を強調したりする場面で用いられます。
▼ Note that …
もっともよく見られる形です。noteは「注意する」や「留意する」という動詞です。また「…」の部分は主語と動詞(S+V)が必要になります。つまり「SがVである点に注意してください」という意味です。例:
- Note that this option is only available if you are an admin.
- このオプションはユーザーが管理者である場合にのみ利用可能である点に注意してください。
- Note that the username is case-sensitive.
- ユーザー名は大文字と小文字を区別することに注意してください。
- ※ case-sensitiveは「大文字と小文字を区別する」という形容詞
語が追加された形
「Note that …」という形が基本ですが、前後に語が追加される形もあります。例:
- Please note that we only support Android OS.
- 弊社はAndroid OSのみをサポートしている点にご留意ください。
- ※ pleaseを付けて丁寧さを加えることもできる
- Also note that certain values may cause errors.
- 一部の値はエラーを発生させうる点にもご注意ください。
- ※「Note also that」の順になることもある
▼ 同じ構造で似た表現
構造的には「Note that」と同じで、かつ意味的にも似た表現がいくつかあります。
Remember that …
重要な点を覚えておいて欲しいときに使えます。rememberは「覚えておく」や「心に留めておく」という動詞です。例:
- Remember that you can uninstall this plugin.
- このプラグインはアンインストールできる点を覚えておいてください。
Keep in mind that …
rememberと同様、重要な点を「覚えておいてください」というニュアンスです。例:
- Keep in mind that you cannot undo this operation.
- この操作は元に戻せない点を覚えておいてください。
- ※ keepの代わりにbearが用いられることもある
[筆者紹介]
西野 竜太郎
翻訳者/情報技術者
著書に『アプリケーションをつくる英語』(第4回ブクログ大賞)、『ITエンジニアのための英語ライティング』、『ITエンジニアのための英語リーディング』、『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得(専門は言語学)。TOEIC 985点。
東京通信大学外部講師。
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