プログラミング関連のドキュメントで頻出する英語表現を紹介します。とりわけAPIリファレンスやマニュアルでよく用いられる表現を取り上げます。
記事の英語難易度は「中級」です。
今回は「等しい」や「似た」など同程度を表す表現です。
the same as 〜
sameは「同じ」という形容詞です。よく「(be) the same as 〜」の形で用いられ、「〜と同じ」を表します。
例:
- This method is the same as getMax().
- このメソッドはgetMax()と同じです。
- The length of the output may not be the same as that of the input.
- 出力の長さは入力の長さとは同じでないことがあります。
- thatはlengthを指す
the same <名詞> as 〜
sameとasを用いる点は上と同じです。ただしsameが名詞を修飾して「the same <名詞> as 〜」という形になります。「〜と同じ<名詞>」の意味です。
例:
- This method has the same effect as calling getMax().
- このメソッドはgetMax()を呼ぶのと同じ効果があります。
- The file is located in the same directory as your configuration file.
- ファイルは構成ファイルと同じディレクトリーにあります。
equal to 〜
equalは「等しい」という形容詞です。「(be) equal to 〜」の形で「〜に等しい」という意味になります。
例:
- Checks whether this date is equal to the specified date.
- この日付が、指定された日付と等しいかどうかを確認。
- Returns true if A is greater than or equal to B.
- AがB以上であればtrueを返す。
- 日本語の「以上」に対応するのが「greater than or equal to」。詳細はこちらの記事を参照
動詞のequal
実はequalは動詞でもあります。「〜に等しい」という他動詞で、直後に目的語が置かれます。
例:
- If the index equals -1, the item will be added the end.
- もしインデックスが-1に等しければ、項目は最後に追加されます。
例えばJavaのStringクラスには「equals()」という名前のメソッドがあります(参考)。これは形容詞equalではなく、動詞(の三人称単数現在形)であると考えられます。引数で与えられる値を目的語と捉え、それに等しいかという発想です。
equivalent to 〜
equivalentは「等しい」や「同等の」という形容詞です。「(be) equivalent to 〜」の形でよく登場します。
例:
- This operation is equivalent to calling getUser().
- この操作はgetUser()を呼び出すのと同等です。
なお語源的には、equi(等しい。equalと同源)+val(価値。valueと同源)+ent(形容詞にする)です。つまり「等価値」です。
similar to 〜
similarは「似た」や「類似した」という形容詞です。「(be) similar to 〜」の形でよく用いられます。
例:
- The behavior of this function is similar to getMax().
- この関数の振る舞いはgetMax()と似ています。
- An error message similar to the following will be displayed:
- 次のようなエラーメッセージが表示されます:
[筆者紹介]
西野 竜太郎
Ryutaro Nishino
翻訳者/情報技術者
著書に『アプリケーションをつくる英語』(第4回ブクログ大賞)、『ITエンジニアのための英語ライティング』、『ITエンジニアのための英語リーディング』、『ソフトウェア・グローバリゼーション入門』など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得(専門は言語学)。TOEIC 985点。
東京通信大学外部講師。
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