英文スタイルガイド解説(21):使わない英語【E〜I】

Googleが公開している開発者向け英文スタイルガイドから項目を1つ取り上げて紹介します。スタイルガイドは基本的には書く際に利用されますが、読む際にも参考になります。

記事の英語難易度は「中〜上級」です。


Googleスタイルガイドでは、使わない(禁止や非推奨)としている英語表現を掲載しています。そのうち日本語母語話者も用いそうな基本的な表現を選んで解説します。ただし、あくまでGoogleの開発者向け文書が念頭にある点に注意してください。

今回は前回に引き続き、EからIまでを取り上げます。

参考URL: https://developers.google.com/style/word-list#letter-e (2021-7-20閲覧)

E

使わない英語解説
e.g.「例えば」を表す。「for example」や「such as」を使う
なお「i.e.」は「すなわち」の意味で、混同が多いため要注意
enable「〜できる」を表す「無生物主語 enable 人 to 動詞」の構文では「let」が推奨されている
オンとオフを切り替えて「有効にする」という動詞としては使える
etc.「など」を表す。同義の「and so on」もできるだけ避けるとしているが、どうしても使うならetc.を使う

F

使わない英語解説
fill in/outフォームに「入力する」や「記入する」の意味
どちらも使わないというより、個々のフィールドへの入力を指す際は「fill in」、フォーム全体への記入を指す際は「fill out」を用いるとしている
for instance「例えば」の意味。できるだけ避け、代わりに「for example」や「such as」を使う

G

使わない英語解説
gender-neutralな(具体的な性別と関係しない)he/his/him/she/her単数のthey」を使う。例えば以下の文があるとする。
 Every user can change his password.
userは具体的な性別と関係しない(男女どちらもあり得る)が、例のようにhis(男性)で受けるのが一般的だった。このような場合にhisではなく「their」にする。単数と複数が一致しないので文法的に誤りとされてきたが、近年は受け入れられている
google動詞で「Google検索する」の意味。「search with Google」を使う
gray out「(グレイアウトして)使用不可にする」の意味。「unavailable」を使う
graylist(gray list、gray-list)graylistのほか、blacklistもwhitelistも使わない。graylistは「provisional list」などに言い換える
guys、you guys性別と関係しない「everyone」や「folks」などを使う(guyは単数形で「男」)

H

使わない英語解説
hangコンピューターやシステムが「応答しない」の意味。「stop responding」や「not responding」を使う
higherバージョン番号を指す場合は「later」を使う
ドキュメント内の位置を示す場合は「earlier」や「preceding」を使う
hitキーなどを「叩く」の意味。click、press、typeの同義語として使わない
hoverマウスのポインターを何かの上に置く「ホバー」のこと。「hold the pointer over」を使う

I

使わない英語解説
i.e.「すなわち」を表す。代わりに「that is」を使う
なお「e.g.」は「例えば」で、混同しないように注意
in order toなるべく使わず、代わりに「to」を用いる。ただし「in order to」を使うと意味が明確になることはある
interface名詞として使うなら問題ないが、動詞としては使わない。動詞であればinteract、talk、speak、communicateなどを用いる
IPIPだけだと「intellectual property」(知財)になるので、IPアドレスを指すなら「IP address」と書く

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[筆者紹介]

西野 竜太郎

Ryutaro Nishino

翻訳者/著者

訳書に「血と汗とピクセル」、著書に「アプリケーションをつくる英語」(第4回ブクログ大賞)、「ITエンジニアのための英語リーディング」、「ソフトウェア・グローバリゼーション入門」、「アプリ翻訳実践入門」など。
産業技術大学院大学修了(情報システム学修士)、東京工業大学大学院博士課程単位取得。

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